中小企業診断士は大手企業のコンサルティングができるか?

中小企業診断士資格とは

中小企業診断士という名称から中小企業のコンサルティングを行うことはイメージできますが、大企業に関してはどうなのか気になる人は多いのではないでしょうか?

大企業が外部のコンサルを受けるということは聞きますので、わざわざ中小企業診断士という名称で、起業の規模を限定しなくてもいい気がしますよね。

そこでこの記事では、中小企業診断士と大手企業との関わりについて、以下のことについて解説します。

  • なぜ大企業診断士はいないのか。
  • 中小企業診断士は大手企業のコンサルティングを出来るのか
  • 大手企業のコンサルティングをするために中小企業診断士の資格を取得するのは得策か
  • 大手企業への就職活動において中小企業診断士の資格は役に立つのか
  • 大手企業勤務の会社員にとって中小企業診断士の資格は役に立つのか

なぜ大企業診断士はいないのか

なぜ大企業診断士がいないのでしょうか。

それは、端的に言うと優先順位の問題だといえるでしょう。

日本において、中小企業の数は全体の99.7%を占めており、中小企業に勤務している人は労働者全体の69%です。

この数値から、日本経済は中小企業によって支えられているといえます

しかし、中小企業は資金力もあまり無く、経営課題を抱えていることが多いです。

そのため日本政府は、法律や行政機関によって中小企業をサポートしています。

例えば日本では中小企業に対する補助金などの施策が充実しており、税金でも中小企業は大企業よりも優遇されています。

日本政府は相対的に大企業よりも中小企業をサポートしているため、中小企業診断士という名称を付けていると想定することが可能です。

中小企業診断士の資格が導入されたのは戦後の復旧期です。

戦後の復旧期においては起業する人が多かったのですが、経営の知識が無いために倒産するケースが多発しました。

そこで、1948年に中小企業庁が成立、1952年に通産省によって中小企業の支援が始まりました。

その当時は今よりもトップダウンの色が強く、支援の方法は違いましたが、日本政府が中小企業を支援する姿勢は一貫しているといえます。

中小企業診断士は大手企業のコンサルティングを出来るのか

では、中小企業診断士は、大手企業のコンサルティングをできるのでしょうか。

結論として、中小企業診断士でも大企業のコンサルティングをすることは可能です。

中小企業診断士の資格取得において、企業の運営方法や経済学の知識を学ぶため、そういった知識を応用することによって、大企業のコンサルティングを行えます。

大手企業のコンサルのために中小企業診断士の資格を取得するのは得策か

それでは、大手企業のコンサルティングをするために中小企業診断士の資格を取得するのは得策なのでしょうか。

無駄ではないが得策ではないというのが、答えとなります。その理由を二つ説明します。

1.中小企業診断士では大手企業で求められるスキルを身に付けにくい

大手企業においては、従業員が何万人と在籍し、会計、人事、製造、在庫管理等の仕組みができ上がっています。

逆に言えば、ある程度仕組みができていなければ、大手企業として存在し続けられません。

一つの例として「ある程度の仕組みはでき上がっているが、競合他社との競争に勝つ為に、仕組みを更に効率化したい。」というのが、大手企業がコンサルティングに求めていることだといえます。

大手企業向けのコンサルティングは、中小企業のように総合的なコンサルティングというよりは、特定の分野にに特化した課題解決というような案件が多い傾向にあります。

結果として、会計や人事、製造など広く浅いコンサルティングをできる人よりも、例えば会計だけに特化した専門的なコンサルティングをできる人の方が、大手企業のコンサルティングにおいては求められています。

それに対して中小企業診断士の資格取得において得られる知識は、中小企業に向けたコンサルティングを目的としています。

中小企業に向けたコンサルティングとは、仕組み自体が存在しない、もしくは仕組みが脆弱である中小企業に対しての、会計、人事、製造、在庫管理等の全ての仕組みに関しての総合的なコンサルティングです。

そのため、資格取得の際に得られる知識は広く浅い傾向にあります。

以上のことから、大手企業で求められるコンサルティングに必要なスキルと中小企業診断士の資格取得において得られるスキルは、方向性が違うといえるでしょう。

2.大手企業向けにはITの知識が必要不可欠

大手企業においては、会計や人事などの全ての仕組みが紙ではなくコンピュータによって行われています。

そのため、コンサルティングして仕組みを改善する時にはITシステムの変更が必要となるため、IT関連の知識が必須です。

中小企業診断士の資格を取得しただけでは、ITに関する十分な知識は身につきません。

ただし、これは得意とする人に協力をしてもらうことで、カバーも可能です。

以上の二点から、大手企業のコンサルティングと中小企業診断士の業務内容は方向性が違うため、大手企業のコンサルティングをするために中小企業診断士の資格を取得するのは得策ではないといえるでしょう。

就職活動において中小企業診断士の資格は役に立つのか

中小企業診断士の資格は難関資格なので、資格を取得していることを評価する企業はあります。

そのため、就職活動において中小企業診断士の資格は役に立つといえるでしょう。

ただし、職種によってその程度は大きく異なります。

大手企業勤務の会社員にとって中小企業診断士の資格は役に立つのか

以下で、大手企業の会社員にとって中小企業診断士の資格が役に立つ理由を説明します。

中小企業診断士は、企業内診断士と独立診断士の二種類に分類できます。

企業内診断士は企業や公務員などの団体に属する診断士です。

独立診断士は、団体に属さずに企業と直接契約を結んでコンサルティング業務を行います。

現在の資格保有者のうち、企業内診断士が79%、独立診断士は21%です。

税理士や司法書士などの別の士業と比べても、独立開業者の割合は低いといえます。

その理由と考えられる要因として、税理士や司法書士は独占的に特定の業務を行える業務独占資格ですが、中小企業診断士は名称独占資格と呼ばれる資格であるということが考えられます。

中小企業診断士を名乗るには資格を取得しなければなりませんが、中小企業のコンサルティング業務を行うことは誰にでも可能です。

国家資格の中小企業診断士の資格によってお客様からの信頼を得られる効果はありますが、競合他社の数は多いです。

そのため、会社員が中小企業診断士として独立開業しても、会社員時代よりも収入が減ってしまうリスクはあるといえます。

中小企業診断士試験おすすめの通信講座

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まとめ

ここまで、大企業と中小企業診断士の関係について解説してきました。

中小企業診断士でも大企業のコンサルティングはできますが、求められるスキルを身に付けることは難しいです。

また、中小企業の割合が多い日本で、支援を広げていくために中小企業診断士という名称が付与されていると考えられます。

最後に、中小企業診断士の資格が役に立つかどうかは、何を目的とするかによって変わってきます。何の為に資格を取得するのかをよく考えることが大切だといえるでしょう。

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