- 事前準備をして提案したはずなのに、なぜか契約が取れない。
- お客様から信頼されていない、心を開いてくれていない。
- セールストークの間でお客様のニーズがわからなかった。
これらは営業を経験したことがある誰もが、一度は考えたことがあるお悩みではないでしょうか?
そして、この記事を読んでいるあなたもお客様との信頼関係の構築について悩んでいるのではないでしょうか。
本記事では、営業における信頼関係(ラポール)の築き方を4つのステップに分けて詳しく解説します。
ラポール営業の方法を知り実践ができれば、効率よく営業活動を行うことができるようになるため、本記事の内容をぜひ参考にしてください。
ラポールとは?営業に必要な理由
ラポールとは、フランス語で「信頼、関係性、親和、親密」の意味があります。元は臨床心理学の用語で、セラピストとクライエント(クライアント)との信頼関係を指します。
臨床心理学だけでなく、ビジネスにおいても営業や交渉をする際に信頼関係は重要です。
なぜなら、信頼関係がない相手に自らの悩みを打ち明け、金銭のやり取りができる人はそう多くはいません。
営業活動では、顧客のニーズに合わせて営業マンが自社の製品やサービスのアピールをします。
顧客のニーズがわからなければそもそもセールストークの構築が困難になりますし、自分の悩みを解決できない製品やサービスに魅力を感じる方はいないでしょう。
逆に、信頼関係がある相手だと営業活動を円滑に進めることができます。
そのためには、ラポール形成のコツを抑えていることが一番の近道なのです。
営業に活用できるラポール形成のための4つのステップ
では、営業においてどのようにして顧客と信頼関係を気づいていくのでしょうか。
本記事で紹介するラポール形成のステップは、以下の4つです。
- ミラーリング
- ペーシング
- バックトラッキング
- キャリブレーション
完璧に抑えることができると、自社の製品やサービスが売れやすくなることに加えて、競合他社に抜かれにくくなります。
ラポールを形成するためには、さまざまなテクニックが必要となるため、詳しく解説します。
1.ミラーリング
ミラーリングとは、相手に親近感を持たせる心理的テクニックのひとつで、相手のしぐさや言動を鏡(ミラー)のように真似ることです。
一番実践しやすいミラーリングは、相手に共感することです。
例えば、顧客の行動やしぐさに注目する以下のような取り組みは、簡単に営業活動に取り入れることができるでしょう。
- 相手が楽しそうに笑えば自分も楽しそうに笑う。
- 相手がお茶を飲んだタイミングで同じようにお茶を飲む。
2.ペーシング
ペーシングとは、相手の会話のペースに合わせてコミュニケーションを行うテクニックです。
会話のペースとは、話すスピード、テンポ、声の大きさなどを指します。
例えば、話すスピードがゆったりしている方に対して急かすような話し方をすると、相手は会話の内容についていけなくなってしまいます。
また、声が小さい相手に大きな声で話してしまうと、相手を委縮させてしまう可能性もあります。
さらに、話し方だけではなく価値観に合わせることも大切です。
価値観とは、礼儀や常識、上下関係、趣味や恋愛などさまざまなもののことを指します。
例えば、私生活でも同じ趣味を持つ者同士は親しくなりやすいですよね?
そこで、価値観に左右される話題の際には顧客の考え方に合わせることが基本です。
ペーシングができていないと、「この人とは話が合わないな。」と思われてしまうので、相手の会話に注視して肯定的に会話を進行させましょう。
3.バックトラッキング
バックトラッキングとは、簡単に言うと「オウム返し」のことです。
相手が使った言葉や、要約した内容を繰り返し会話の内容に入れることで、相手に対して話をしっかりと聞いていることをアピールするコミュニケーション方法です。
シンプルな例を挙げると、「昨日表参道のカフェに行った。」という相手の話に対して、「表参道のカフェに行かれたのですね。
素敵ですね。何を飲まれたのですか?」と返すようなやり取りが、バックトラキングにあたります。
「そうなんですね。」と返答するよりも会話が弾みますし、話もしやすいですよね。
会話を盛り上げるということも、ラポール形成において重要なことです。
4.キャリブレーション
キャリブレーションとは、顧客が考えていることを、表情などの言葉以外の情報から察知することです。
わかりやすくいうと、「空気を読む」ということです。
相手の表情や、態度、姿勢やしぐさ、雰囲気などから相手の心理状態を読み取り、コミュニケーションを取ります。
例えば、相手が言葉で「大丈夫」と言っていても、表情が曇っていたり、落ち着かない雰囲気だとしたら、「もしかしたら大丈夫ではないのかも。」と察したりすることがありますよね。
日常生活で普通にできていても、営業活動ではできていないケースをよく見かけます。
自分のセールストークに必死になってしまって、顧客が理解していないまま話を進めてしまったり、相手がこちらの話の内容に関して腑に落ちていないまま結論を急いでしまったり、自分のセールストークに自信がないと起こりやすくなることです。
その場合は、一旦立ち止まり相手を気にかけた対応がうまくできると、相手から安心してもらうことができ、信頼関係が築きやすくなります。
ラポール形成において気を付けるべきこととは
前述した、ミラーリング、ペーシング、バックトラッキング、キャリブレーションを行う上で注意すべきことが2つあります。
自然体で行うこと
あまりにミラーリングやペーシングなどで露骨に真似をしてしまうと、揶揄っているように受け取られてしまう場合があります。
また、わざとらしく見られて相手に不快感を持たれて逆効果になってしまうでしょう。
あくまで自然に実践することが大切です。
何事も第一印象が大事
第一印象は、3~5秒で決まると言われています。見た目だけですべてが決まるわけではありませんが、視覚情報は人間が相手の印象を決めることにおいてとても重要視されていることは事実です。
営業においては、TPOに合った服装、清潔感、そして表情になります。
しっかりとした自己紹介とあいさつをせずに、第一印象からいい印象が無い営業マンはラポール形成が難しくなってしまうので必ず意識しましょう。
アルバート・メラビアンという大学教授が発表した「メラビアンの法則」では、情報が相手に与える影響は、言語:7%、聴覚:38%、視覚:55%と定義づけられています。
つまり、営業において、見た目の清潔感や明るい表情、そして話し方(声のトーンやペースなど)に力を入れることで、93%のいい印象を持たせることが可能ということです。
ラポール形成の4つのポイントである、ミラーリング、ペーシング、バックトラッキング、キャリブレーションは、メラビアンの法則の中の聴覚、視覚の印象を上げる大きな役割を担っています。
仕事に活かす知識を効率よく得る方法
今回紹介したような仕事をする上での悩みの解消、さらに仕事に活かせる知識を体系的に効率よく得るためには、資格試験向けの教材を活用するのが効果的です。
私は、中小企業診断士という国家資格の勉強を始めたことで、経験で何となく理解していた情報の歴史や理論を把握することができ、選択肢を広げることができました。
社内での評価も高まり、予定より1年早く昇格に繋がり、中小企業診断士の一部の内容を講座形式で社内教育にした結果、チームメンバーの能力も高まっています。
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まとめ
ラポール形成は、営業マンが成約につなげるうえで必要不可欠です。
前述した、以下の要素はあくまで信頼関係を構築する手段にすぎません。
- ミラーリング…相手のしぐさや言動を鏡(ミラー)のように真似ること
- ペーシング…相手の会話のペースに合わせてコミュニケーションを行うこと
- バックトラッキング…相手が使った言葉や、要約した内容を繰り返し会話の内容に入れること
- キャリブレーション…顧客が考えていることを表情などの言葉以外の情報から察知すること
そのことを忘れて、手段にばかり注視しすぎるとわざとらしくなり、顧客の信頼を失うこともあります。
営業活動では、「顧客の気持ちに寄り添い、課題を解決するためにはどうしたらいいのか」が最も考えるべきことです。
商談の内容だけではなく、全体の印象を踏まえて信頼される営業マンになるために、ラポール形成を極めていきましょう。
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