DXの推進などにより、SaaSという言葉を耳にする機会も多くなっています。
しかし、SaaSが何のことかよくわかっていなかったり、実はSaaSに分類されるサービスと知らずに使っていたりする人も多いのではないでしょうか?
本記事では、SaaSの基本的な知識やメリット・デメリット、さらにSaaSの種類や具体的なサービスについて説明します。
SaaSとは?わかりやすく解説
SaaSは「Software as a Service」の略で、直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」で、インストールなしで使えるソフトウェアのことを指します。
ソフトウェアは、ユーザーのPCにインストールして使うことが多いのですが、SaaSはブラウザから直接利用することができます。
Googleが提供するGmailやGoogleカレンダーなどを使っている人も多いと思いますが、これらもSaaSの一種です。
Googleが提供するソフトウェア(Gmail)を、インターネットを経由して利用しているため、端末に依らず、アカウントにログインできれば同じ環境で利用することが可能です。
SaaSのメリット
SaaSには、コスト面や利便性において、いくつかのメリットがあります。
導入のハードルが低い
SaaSには、月額料金制など、使った分だけ料金を支払うサービスが多くあります。
自社でソフトウェアを開発する場合に比べて、導入にかかる費用を安くおさえられるため、導入するハードルが低くなっています。
また、申し込みが完了すればすぐに使い始めることが可能です。
ソフトウェアの購入や端末へのインストールが不要なため、比較的短期間で利用を開始できることも大きなメリットです。
マルチデバイスで利用できる
前述の通りインターネットを経由して利用できるため、ネット環境さえあれば、どこからでも使うことが可能です。
PCやスマートフォンなど、複数の端末から利用することができる点もSaaSのメリットの一つです。
自宅や会社のPC以外からでもアクセスすることができるので、出先でスマホを使って作業することもできます。
管理の手間が省ける
SaaSでは、ソフトウェアを提供する事業者(サーバー)が、ソフトウェアを稼働させています。
バージョンアップ等のソフトウェアの管理をサーバー側が行ってくれるため、管理や保守の手間を省くことが可能です。
何をどうすればいいかわからず、深く考えずに更新して失敗することもないため、特にソフトウェア関連が得意でない人には、大きなメリットになるでしょう。
SaaSのデメリット
便利な点が多いSaaSですが、セキュリティなどを考慮するとデメリットもあります。
SaaSを導入する際には、これらのデメリットも認識しておきましょう。
カスタマイズの自由度が低い
多くの人が同じサービスを利用するため、汎用性が高くなるようにサービスが設計されています。
各利用者の事情にあわせたカスタマイズは難しくなっており、必ずしも全員にとって使いやすいものであるとは限りません。
利用者にあったカスタマイズができない点が、1つ目のデメリットです。
セキュリティ上のリスクがある
利用者がインストールして使うソフトウェアと違い、SaaSはインターネットを経由しています。
そのため、不正アクセスによる情報漏洩などのリスクが高くなります。
個人や社内のクローズドな環境ではないため、セキュリティのリスクが存在することを十分に理解し、パスワードの漏洩などには気をつけましょう。
サービス停止時に影響を受ける
もしサーバー側がサービスを終了した場合、利用者は復旧することができません。
また、永久的なサービス停止でなくとも、サーバー側で一時的な障害が起きた際に影響を受けてしまうことになります。
このように、サーバー側の事情により、即座に影響を受けてしまう点はデメリットと言えるでしょう。
「SaaS」「PaaS」「IaaS」の違い
「SaaS」と類似点も多い「PaaS」や「IaaS」との違いは説明できるでしょうか。
3種類の違いを簡単に説明します。
「SaaS」と「PaaS」の違い
「PaaS(パース)」は、Platform as a Serviceの略で、アプリを開発する環境を提供するサービスです。
SaaSに分類されるようなアプリケーションが動くためには、OSの準備やデータベースの構築等を行う必要があります。
PaaSでは、データベースなどの管理を行うミドルウェアやOSを提供してくれます。
SaaSと比べて、カスタマイズできる範囲が広がります。
「SaaS」と「IaaS」の違い
「IaaS(アイアース、イアース)」はInfrastructure as a Serviceの略で、OSなどのインフラを提供するサービスです。
PaaSよりも、さらにカスタマイズできる範囲が広く、専門知識が必要になります。
ミドルウェアと呼ばれる部分まで、ユーザー側がカスタマイズ可能です。
SaaSの種類と代表的なサービス
SaaSには、企業の特定の部門や機能に特化したHorizontal SaaSと、特定の業界に特化したVertical SaaSの2種類があります。
Horizontal SaaS(ホリゾンタルサース)
Horizontal SaaSは、マーケティングやHRのような企業の特定の部門や機能に特化したソフトウェアです。
Horizontalは「水平な」という意味で、業界をまたいで活用できるSaaSになります。
顧客管理の事例
SaaSの先駆け的存在であるSalesforceは、顧客管理や営業支援についてのサービスを提供しています。
なかには、マーケティングツールなどと連携可能なものもあり、多機能なサービスでは、顧客管理だけではなくマーケティング施策にも活用できます。
代表的なサービス:Salesforce
ビジネスチャットの事例
リモートワークが広まった昨今、ChatworkやSlackを社内のコミュニケーションツールとして、使っている人も多いのではないでしょうか。
メールとは違って宛先や件名を入力する必要がなく、手軽に使えるチャットツールを導入する企業は多く、Chatworkでは30万社以上の企業に導入されています。
代表的なサービス:Chatwork、Slack
Web会議ツールの事例
社内・社外ともに対面での会議よりも、Webでの会議が増えつつあるため、Web会議ツールにも注目が集まっています。
Web会議では専用機器や会議室は不要であり、カメラやマイクを搭載したデバイス(スマホやPCなど)があれば利用可能です。
参加可能人数や接続の安定性など、ツールによって様々な違いがあるため、導入する際には比較検討するとよいでしょう。
代表的なサービス:Skype、Zoom
Vertical SaaS(バーティカルサース)
Horizontal SaaSとは異なり、特定の業界の課題に特化したソフトウェアを提供するのがVertical SaaSです。
verticalは「垂直な」を意味します。
小売業や飲食業などの事例
飲食店や小売店向けのSaaS企業としては、2019年に上場したスマレジがあります。
スマート端末やタブレット端末を用いたPOSレジ機能サービスを提供している企業です。
特徴としては、従来のPOSレジと異なり、導入費用やランニングコストがおさえられる点があげられます。
代表的なサービス:スマレジ
仕事に活かす知識を効率よく得る方法
今回紹介したような仕事をする上での悩みの解消、さらに仕事に活かせる知識を体系的に効率よく得るためには、資格試験向けの教材を活用するのが効果的です。
私は、中小企業診断士という国家資格の勉強を始めたことで、経験で何となく理解していた情報の歴史や理論を把握することができ、選択肢を広げることができました。
社内での評価も高まり、予定より1年早く昇格に繋がり、中小企業診断士の一部の内容を講座形式で社内教育にした結果、チームメンバーの能力も高まっています。
実際に試験を受けない場合にはあまり費用をかけられないかもしれませんが、私が購入した診断士ゼミナールは5万円程度で受講が可能です。
少し高いなと感じるかもしれませんが、社内での評価が高まることで仕事がしやすくなり、金銭面でも1年早く昇格したり、賞与の査定が1段階高くなれば十分元が取れるのではないでしょうか?
私が受講したもの以外にも、5万円程度で受講できるおすすめの講座を以下に紹介しますので、ぜひご活用ください。
オススメの中小企業診断士 通信講座
オススメNo.1:スタディング
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オススメNo.1,2の比較記事はこちら!⇒スタディングと診断士ゼミナールの比較
まとめ
SaaSは導入コストの低さや管理が容易であることなどから、広く活用されています。
2022年の市場規模は690億円とも言われており、今後も伸びていくことが予想される市場です。 しっかりと基礎知識を理解して、導入や活用に役立ててください。
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