信頼できる上司とは?若手世代から支持される人の5つの特徴

中小企業診断士とマネジメント

管理職ともなるとそれまでとは違った在り方で職場関係を構築し、現場を牽引していかなくてはなりません。上司と部下、双方にとって良い職場を築いて業務をより円滑に運びたいですよね。

  • しかしどうすれば上司としての部下の信頼を獲得できるのか?
  • 部下にとってどういう存在が良い上司なのか?
  • そもそも理想の職場関係とはどういうものなのか?

こういうことがよく分からず苦労している方も多いと思います。もちろん個々人の付き合いやすいタイプの人間や置かれた環境は千差万別ですから、その全てを満たすことは難しいかもしれません。しかし、大枠として求められる資質は存在します。

今回はそんな上司の皆さんを相手に信頼できる上司の特徴を簡単にまとめてみました。

信頼できる上司の特徴一覧

信頼できる上司は、以下のような特徴を持った上司です。今まで上司だった人の中で信頼できた人をイメージすると、以下のいずれかに当てはまるのではないでしょうか?

  • リーダーシップがある
  • 理論的である
  • 公平である
  • 仕事ができる
  • 包容力がある

特徴1 信頼できる上司は リーダーシップがある

リーダーシップがある上司は職場メンバーが迷わないように適切な決断を下すことが可能です。その結果、「この人についていけば大丈夫。」といった信頼を獲得できます。

リーダーシップがある上司とは?

現場ではしばしば難しい問題に直面して、明確な判断を下さなくてはいけなくなる時があります。管理職ともなればその回数は平社員に比べ飛躍的に増えるでしょう。

つい最良の結果を求めるあまり判断に迷い、優柔不断な姿勢を見せてしまう人もいるかもしれません。しかしリーダーシップが欠如していると、部下たちはどうしていいのかわからず業務は停滞してしまいます。周囲の人間はリーダーの優柔さをすぐ見抜きます。

難しい状況や想定外の事態にあっても的確に状況を判断し、指示を出せる上司は部下の目から見れば頼もしい存在です。

このように意思決定の明確さや迅速さは上司の統率力、ひいては現場の効率化に直結します。大事なときに現場がまとまらないようでは最高の成果をあげることは困難です。

部下たちの教育や仕事の分担についても同様です。各人のレベルにあった対応や割り振りを実行できれば、部下たちは上司が自分たちをよく見ていてくれることに気づき、リーダーとして認めてくれるでしょう。

総じていえばリーダーシップとは、上司としての職場全体への気配りと統率力という要素であるといえそうです。

リーダーシップがある上司になるためには?

ではどうしたらリーダーシップがある上司になれるのでしょうか?

普段から部下それぞれの業務の進捗や能力など、業務全体を捉える広い視野を養うことです。そのために普段から部下の仕事ぶりをよく観察し、コミュニケーションを積極的にとる習慣をつける必要があります。

なぜなら上司は自分の仕事をするのと同等以上に、人に仕事をさせる立場だからです。それによって個人に合わせた対応や教育ができ、結果として上司の求心力が高まるでしょう。

しかし、上司が常に自分でなにもかも判断するというのは上司の対応時間を考えても難しいものです。ときには、部下を信頼して任せるという決断も必要になってきます。

それは結果的に部下の教育につながることはもちろん、上司に信頼されているという、部下の自己肯定感の向上にもつながります。

特徴2 信頼できる上司は理論的である

理論的な思考のできる上司は指導や情報伝達の無駄が少ないです。結果、部下は「分からないことはこの人に質問すれば大丈夫。」といった信頼を抱きます。

理論的である上司とは?

理論的な人物は単に自らの職務おいて合理的な判断ができるという利点だけでなく、部下の教育や業務報告も筋道を立てて行えます。

むやみに難しい話題や用語を使用せず、たとえ話などで相手のレベルや理解度に合わせた説明ができる人は職場でも取引先でもコミュニケーションがとりやすい人材として頼りにされます。

またロジカルな思考が習慣づいた人はその時々の感情や行動にブレが少ないため、言動に一貫性が持ちやすいという利点があります。その時々で言動がコロコロ変わる人は日常生活でも付き合いづらいはずです。

仕事のミスは時として起きてしまうものだと思います。そういう場合もただ感情に任せて怒るのではなく、必要に応じて叱りつつ問題点を精査し、次につなげるためのアドバイスを忘れない上司は信頼されるでしょう。

理論的な人とは自分本位ではなく、常に客観的理解が得られる振る舞いをする人間を指しているといえそうです。

理論的である上司になるためには?

ではどのようにしたら理論的な人物になれるのでしょうか?

思考様式を変化させるのは難しいことですが不可能ではありません。普段から物事にたいして「なぜこうなったか?」という風に考える癖をつけてみましょう。

たとえば部下がミスを起こした時にその理由を本人の状況に立って考えることができれば、一時の感情に流されることも減ります。因果関係を整理する習慣は論理的な思考様式の形成に不可欠な要素です。

担当する業務以外の分野に触れるのも一つの手です。異なるジャンルに触れることは、自分の思考を相対化するために有益な一歩です。物事の捉え方というものは決して一つの分野だけの孤立したものではないからです。前述の広い視野の獲得ともつながります。

他人に何かを教える習慣を持つこともオススメです。必ずしも職務に関わることではなくても大丈夫です。その過程で普段自分が当然のように行っていることを客観視できたり、相対化できたりします。

常に自分の内部にあるものをアウトプット可能な状態にしておくことが必要です。まさに「教えること」=「教わること」です。

また、不測の事態に対してもまず落ち着いて状況整理が行える冷静さも重要です。現場の状況は刻一刻と変化していきます。

しかし上司という立場にある以上、時間がないからといって必要なプロセスを経ずに判断を下すことは、とても危険であることは明確です。急いでいても必要なプロセスを省略せずに、客観的な事実を元に判断を下せば、適切に評価されるでしょう。

特徴3 信頼できる上司は公平である

上司が公平なら部下たちを処遇に不満が発生しづらいです。結果、部下たちは「この人は自分をちゃんと見てくれている。」という上司への信頼につながります。

公平である上司とは?

誰しも得意な人、苦手な人というのは存在するでしょうが、職場にそれを持ち込むような人は良くないです。特に上司は周囲の人間の働きぶりを評価する立場なので、その害悪はより大きいです。

公平さを欠いた上司の職場では扱いの良くない部下のモチベーションが低下し、ひいきにされている者に対して対立感情を抱くことまでありえます。単に上司と部下の個人的関係にとどまらず、職場全体の問題にまで波及する恐れもあります。

上司に媚びへつらい、部下に強権的な人柄も好まれないでしょう。

上下関係に厳格なのは結構ですが、ほとんどの業務は社員がお互いに支え合うことで成立するものなので、そのような上司にはカリスマ性を感じないはずです。他者への評価は厳しく、自分への評価は甘い人も同様です。謙虚な姿勢を忘れてはいけません。

公平な職場だと皆が認識しているなら、良い評価をされた者に対して周囲も不満を抱かず、失敗して叱責されたときに本人は仕方がないことだと納得できるでしょう。このような環境で初めて、部署全体が一丸となって職務に打ち込めるのです。

公平さとは特徴2で述べた「一貫性のある」という資質を人間関係上において実行したものといえます。

公平な上司になるためには?

ではどうすれば公平な上司になれるのでしょうか?

得意、不得意は人間関係でも存在しますし、叱りやすい人柄、叱りにくい人柄というのもあるでしょう。しかし自分が上司なら個人的な好悪を超越した立場に自分をおかなくてはなりません。

叱るべきときに叱る、褒めるときに褒める。上司は誰に対しても信賞必罰、アメとムチの精神で臨まなくてはなりません。

苦手な部下に対しては上司という立場を利用して腹を割って話し合うように促してみましょう。上司からの評価は部下にとっても進退に関わる問題なので、その提案は無下にできないはずです。

間違ってもパワハラには発展しないよう注意してください。上司が余裕を持たなければ、部下も心を開いてくれません。

面倒なことを部下に丸投げしたり、自分のミスの言い訳をしたり、他人に責任転嫁するようなことも良くないです。公平な上司と部下に思われる行動例として、普段から部下や後輩に対し自分から積極的に挨拶をする、業務の際に誰よりも率先して動くことが挙げられます。

要領のいい部下、悪い部下がいるとき、できる方にばかり仕事を割り振っていたらいつまで経っても一部の人は成長できず、職場全体で能力のある者、ない者に偏りが生まれます。

時には上司自らが責任を持って部下に任せてみることも必要でしょう。このような上司の下ならあまり自分に自信が持てない部下も成長することに対して前向きになれるでしょう。

特徴4 信頼できる上司は仕事ができる

仕事ができる上司は業務上の問題解決能力に優れています。結果、「難しい問題でも上司が解決策を提示してくれる。」という信頼を獲得できます。

仕事ができる上司とは?

ここで挙げる「仕事ができる」というのは一個人としてのスキルの問題です。

職場は成果を上げなければならない場所です。人間性だけでなく実力も求められます。人間性は良くても実力不足の上司はなんだか頼りないはずです。上司の実力が不足していると部下への業務の要求水準が低下し、緊張感のない職場になってしまう恐れがあります。

部下にとって、自分たちでは解決できない問題を上司が易々とクリアしていく様は眩しいもの。部下たちにスキルアップに対するモチベーションが生まれれば、職場全体が張り合いのある空気に満たされます。「できる上司は背中で語る」のです。

上司は管理職である以上、多少の独断性や強権的な決断が必要な場合があるでしょう。そんな時に上司の一個人としての実力はその決断にある程度の権威を与えてくれます。

本来なら管理職としての能力と実務家としての能力は別個に評価されるべきなのかもしれません。しかし部下としては、上から指示をするだけで自ら率先して動かない上司のいうことなど聞きたくないはずです。

実力が伴っているからこそ、部下により高い水準を要求し、苦手な上司にも従ってくれるのです。成果主義の場では両者は切っても切り離せない関係にあります。

仕事ができる上司になるためには?

ではどうすれば仕事のできる上司になれるのでしょうか?

仕事ができるようになるには、職場にロールモデルとなるような人物がいるのが理想的です。しかし管理職というのは基本的に実務家としては部下たちより高い経験値や豊かなキャリアを築いているからその地位にいるはずです。

こうなると職場に師匠のような存在を見つけることは難しいのが現実でしょう。しかしそれ以外にもアプローチはあります。

業務に対しては常に問題意識を抱きましょう。たとえ他者から文句なしの評価を得られたときでもこの習慣を忘れてはいけません。自ら問題点や不足点を洗いだす習慣がついた人は、次回以降の業務も発展的に取り組むことができるでしょう。

業種によっては資格習得や講習会への積極参加もいいでしょう。資格やスキルは単純に給与アップにつながる職場もありますし、長い目で見れば将来のキャリアにもつながってきます。無理のない範囲で時間をうまく使って他者と差をつけましょう。

しかし一番大事なのは、職務に対する熱量、ハングリー精神を失わないことでしょう。これは全ての基礎となるものです。「欲しいものがある。」、「出世して今より稼ぎたい。」というような欲を自らの成長への原動力に積極的に転化していきましょう。

特徴5 信頼できる上司は包容力がある

包容力がある上司は部下の過失にも寛大に対処できます。結果、「この人には包み隠さず打ち明けられる。」という信頼を獲得できます。

包容力がある上司とは?

業務上、厳しい指導もときには必要かもしれません。しかし常に感情的になっていると部下は委縮し、本来の能力を発揮できません。上司の独善性がいきすぎた職場では職務における成否は上司の主観性だけに依存するようになり、個人の自立性は失われてしまいます。

一方、包容力のある人は他人に安心感を与えます。部下の失態も泰然と受けとめられる上司の下では職場は寛容な空気になり、結果として部下たちの職場への帰属意識につながります。

上司側にとっても部下がコミュニケーションを積極的に行ってくれることで、業務の進展や問題を正確かつ迅速に知ることができます。

このように上司の包容力は職場のコミュニケーションにおける潤滑油と言っても過言ではないのです。

包容力のある上司になるためには?

ではどうすれば包容力のある上司になれるのでしょうか?

部下がミスしたときに感情的な接し方をしないことはもちろんですが、同じことを繰り返さないために指導することも必要です。

その際は自分の仕事をいったん中断して付き合うような態度を示しましょう。部下は上司が貴重な時間をわざわざ割いて付き合ってくれる面倒見の良さに心を打たれるはずです。ですが過干渉は逆効果なので注意しましょう。

相談を受ける際も親身になって聞くべきです。その際に上司の側で解決策を提示できない場合があるかもしれません。

しかし相談する側は必ずしも正解を求めて相談しているわけではなく、単に誰かに聞いてほしい、気持ちを共有したいという気持ちが動機になっていることも多いのです。その場合も真摯な姿勢を崩してはなりません。

上司側から仕事の相談やプライベートな相談を部下に持ち掛けるのもいいでしょう。部下たちは上司が上下関係ではなく、一人の人間として接してくれているという安心感を抱きます。

上司は部下の評価をはじめとして、ネガティブなことを口にすることは極力気を付けるべきです。部下からすれば他人の悪口ばかり言っている上司だと器が小さく、「陰では自分も言われているのではないか?」といい気持ちではありません。

解決策としては他人の短所よりも長所を見つける癖をつけるのがいいと思います。他人の存在を積極的に肯定することにつながるでしょう。

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まとめ

今回ご紹介した内容は一見、当然なことばかりで簡単だと思われるかもしれません。しかし、上司として自らの行動を省みたとき、おろそかになっている点もあるのではないでしょうか?反対に、現実にこれら全てを実行するのは困難を感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかしこの五つの特徴は決して個々に独立したものではありません。それぞれが重複する要素を持ち合わせているのです。ですから、ある特徴を実行することは同時に他の特徴を実行することでもあるのです。

上記の特徴は魅力的な上司であることは魅力的な一個人でもあることを示しています。このことに気づければ、部下との接し方も変わってくるはずです。

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