マージナルゲインとは?ビジネスの万能薬になるかもしれない思考法

中小企業診断士とマーケティング

もしあなたがビジネスマンならば、確実に成果を生み出す方法がわかればと、考えることはないでしょうか?

そんな、確実に成果を生み出す方法への答えになり得るのが、マージナルゲインです。

この記事では、マージナルゲインとは何か、そして、マージナルゲインの具体的な使い方までを、詳しく解説します。

マージナルゲインとは?

マージナルゲインとは、1%の改善を続けることです。

状況を改善するために、新しい、大きなことをするのではなく、ほんのわずかの改良を続けると、大きな成果につながるという考え方です。

特別なことをしなくても、「小さなことからコツコツと」という精神が、大きな成果に繋がる可能性があります。

マージナルゲインを導入した例

マージナルゲインによって成果をあげたものとしては、チームスカイの例が有名です。

イギリスのサイクリングチーム、スカイは、2010年の発足当時、自他ともに認める弱小チームでした。

チームスカイが非常に弱かったことを表すエピソードとして、以下の2つがあります。

  • 監督に就任したブレイルスフォードが「5年以内にツール・ド・フランスで優勝する」と宣言しても、当時は物笑いのタネだった
  • 自転車メーカーも、チームスカイに商品を使われることを、イメージダウンになるからと、嫌がるほどだった

ところが、わずか3年後に優勝を成し遂げます。

ブレイルスフォードがマージナルゲインを導入し、全ての行動に「1%の改善」を試みた成果でした。では、ブレイルスフォードは、具体的にどのように、1%の改善をしていったのでしょうか?

主なもの5つを以下に紹介します。いずれも一つ一つはそれほど大きな効果がないと感じるかもしれませんが、このような項目の積み重ねによって大きな成果に繋がっています。

1.手の洗い方を統一

力をつけていくためには、常に体調をいい状態に保ち、いい練習を継続する必要があります。

そこで、体調を崩さないための基本的な手段として、手の洗い方を統一しました。

その結果、練習を継続的に行うことができ、実力と自信をつけることができています。

2.ほこりのつきにくいウェアの開発

空気抵抗が大きく影響する自転車競技では、ウェアの空気抵抗を低下させることは重要な開発要素の一つです。

日常生活では影響がない「ほこり」が、高速で走行する自転車競技では影響があると考え、ほこりのつきにくいウェアの開発を行っています。

3.睡眠の質を高めるために枕を持参

手の洗い方と同様に日常的な練習の質を高めるために、睡眠にも注目しています。遠征の多い自転車競技では、宿泊先が変わることで睡眠がしっかりとれない選手がいました。

そこで、遠征先に使い慣れた枕を持っていくことで、遠征中でもしっかり睡眠がとれるようにしました。使い慣れた枕があれば、どこでも安心して眠ることができます。

4.ボトルの色決め

長距離を走行する自転車競技では、練習中やレース中に走行しながらの給水が必要です。

高速走行しながらの場合には、ドリンクのボトルを取る際にスムーズに手に取れるように、ボトルの色や置き場所を統一するという工夫を行っています。

視覚的にわかりやすくすることでボトルを取るときの迷いをなくし、時間を短縮しています。

5.サドルの測り方の統一

身体に負担をかけずに長時間走行するために、自転車に乗車する際の走行姿勢を適切に管理する必要があり、そのためにサドルの高さは大きな影響があります。

しかし、自転車を整備するメカニックが複数人いるため、それぞれが自己流の走り方をすることでサドルの高さの設定が適切になっていない場合がありました。

そこで、サドルの測定方法をメカニックによらず適切にすることで、選手のパフォーマンスを向上させることに繋がっています。

マージナルゲインを実践するには?

マージナルゲインの考え方をうまく活用するためには、以下2点に関する理解が大切です。

  1. マージナルゲインが大きな成果を生む理由
  2. マージナルゲインを行うための具体的方法

ひとつずつ解説していきます。

1.マージナルゲインが大きな成果を生む理由

マージナルゲインはなぜ大きな成果を生むのか、それは、改善の成果は複利で増えるからです。

1%の改善を毎日行ったとして、一年後どうなるかをみてみましょう。

仮に今あなたの出せている成果が1だとします。今日1%の改善をすれば、明日あなたの成果は1%増えて1.01です。

このようにして毎日1%の改善を続けていくと、一年後には38になります。たった1%でも、一年後の成果が38倍になるのは、複利の力が働くからです。

2.マージナルゲインを行うための具体的方法

では、具体的に1%の改善とはどのように行うのかというと、次のような流れです。

  • 達成したい目標や成果を分解する
  • 分解した要素1つひとつに対して、改善をする
  • 改善を継続する

1つずつ解説していきます。

達成した目標や成果を分解する

まずは実現したいことを分解しましょう。

たとえば、最近あなたが毎日仕事に追われていて、今よりも早く帰りたいとします。

この場合、最初に行うことは、早く帰るための要素のリストアップです。

リストアップの例としては、

  • マルチタスクになっているのでシングルタスクに集中する
  • 眠れていないので布団をいいものにして睡眠の質を上げる
  • 栄養価の高いものを取り入れて脳の働きを良くする

などがあげられます。

分解した要素1つひとつに対して、改善をする

次に、リストアップした要素をできるだけ小さく分解して、その1つひとつに改善を試みてみましょう。

たとえば、睡眠の質をあげるための改善点としては、

  • 寝る前にスマホをみるのをやめる
  • 食べてすぐ寝るのをやめるために、食事の時間を早くする
  • 湯船につかるようにする

などがあげられます。改善点をあげたら、ひとつずつ試してみましょう。

改善を継続する

改善まで至らなくても、試行錯誤を続けることが大切です。

続けることが難しいとしたら、負荷が大きい可能性があります。取り組むことをできるだけ小さくするのが、継続のコツです。

例えば筋肉を鍛えるならば、「まず腕立て伏せ1回だけを行う」など、簡単にすると継続できます。

マージナルゲイン実践のためのマインドセット

マージナルゲインを行うにあたって、

  • 「とはいっても、改善をしてみて改悪になったらどうするの?」
  • 「そんなに継続する自信がない」
  • 「そもそも、改善できているのかがわからない」

という不安がよぎるかもしれません。

心配や不安は、「成長マインドセット」をもつことで解決します。成長マインドセットは不安を前向きにとらえる効果があるからです。

成長マインドセットとは、大きく次の3つの考え方のことです。

  • 先天的なものがどうあれ、努力を積み重ねれば誰でも成長できる
  • 成功のために失敗はしなければならない、必要不可欠なもの
  • 失敗の理由は知性のせいではない

以下に詳しく解説していきます。

先天的なものがどうあれ、努力を積み重ねれば誰でも成長できる

人は誰でも成長できます。

このことを実感できない場合は、結果を早くもとめすぎているか、もとめている成果が大きすぎる可能性があります。

人の成長曲線は、直線ではなく、上昇と下降を繰り返します。

成長曲線がジグザグなために、結果を短期的にみれば、成長どころか退化した気がするかもしれません。しかし、長期的にみれば必ず上昇しています。

そして、努力は複利ですので、はじめはほとんど成長を感じられませんが、徐々に複利の効果で大きな成果を生み出します。

成功のために失敗はしなければならない、必要不可欠なもの

人は失敗してこそ学び、成長します。もし失敗してしまったとしても、その失敗をプラスに受け止めましょう。

成功の反対は失敗ではなく、何もしないことという言葉のとおりです。

こういうと、「失敗して取り返しがつかなくなったらどうするのか」という疑問がありますが、マージナルゲインでは、取り組みの規模が小さいため、失敗の程度も大きくなりません。

マージナルゲインでは、目標を小さく分解して1つひとつに対して改善を行うため、小さな失敗を元に改善を行い、大きな成果に繋げることが可能です。

失敗の理由は知性のせいではない

失敗の理由を自分の知性のせいにしてはなりません。それでは状況の改善に行きつかないからです。

「自分は頭が悪いからだ」と考えるともうどうしようもないですが、「次に繰り返さないためにどうしたらいいか」と思考すれば、改善プランが見つかります。

仕事に活かす知識を効率よく得る方法

今回紹介したような仕事をする上での悩みの解消、さらに仕事に活かせる知識を体系的に効率よく得るためには、資格試験向けの教材を活用するのが効果的です。

私は、中小企業診断士という国家資格の勉強を始めたことで、経験で何となく理解していた情報の歴史や理論を把握することができ、選択肢を広げることができました。

社内での評価も高まり、予定より1年早く昇格に繋がり、中小企業診断士の一部の内容を講座形式で社内教育にした結果、チームメンバーの能力も高まっています。

実際に試験を受けない場合にはあまり費用をかけられないかもしれませんが、私が購入した診断士ゼミナールは5万円程度で受講が可能です。

少し高いなと感じるかもしれませんが、社内での評価が高まることで仕事がしやすくなり、金銭面でも1年早く昇格したり、賞与の査定が1段階高くなれば十分元が取れるのではないでしょうか?

私が受講したもの以外にも、5万円程度で受講できるおすすめの講座を以下に紹介しますので、ぜひご活用ください。

オススメの中小企業診断士 通信講座

オススメNo.1:スタディング
全体を俯瞰できる学習マップが勉強に効果的。専用のスマホアプリで隙間時間を有効活用することで合格を!

オススメNo.2:診断士ゼミナール
コスパ抜群で、イラストが多くわかりやすい動画講義がおすすめ!ダウンロード可能で屋外でもギガを気にせず勉強できる。

オススメNo.3:アガルートアカデミー
フルカラーのテキストと単元ごとの動画講義がわかりやすい!さまざまな割引制度も充実。

オススメNo.1,2の比較記事はこちら!⇒スタディングと診断士ゼミナールの比較

まとめ

今回の記事を3点にまとめます。

①マージナルゲインとは「大きな成果はとても小さな改善の積み重ねで生まれる」というものです。

実際に弱小チーム、スカイをスケイルスフィールドは、マージナルゲインの導入によって優勝に導きました。

②「マージナルゲイン」の考え方は、我々のビジネスにも応用できます。

具体的な活用の流れとしては、以下の順で行います。

  • 目標を分解する
  • 分解した要素1つひとつに改善を試みる
  • 改善を継続する

③マージナルゲインが上手くいかない場合は、マインドセットが適していない場合があります。成長型のマインドセットをもちましょう。

マージナルゲインの素晴らしいところは、先天的・環境的な条件を問わずに活用できるところです。いわゆる才能などの先天的なものや、ジャンルがどうあれ、活用できるからです。

努力が結果に結びついていないと感じたら、ぜひマージナルゲインを取り入れてみてください。きっと成果を実感できるときがくるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました