アップセルとクロスセルの違い|今すぐできる顧客単価の引き上げ方法

中小企業診断士とマーケティング

上司から「売上を伸ばすように」という指示があったものの、「どうしたらいいか?」と迷っている営業マンが多いのではないでしょうか?

そもそも、売上は「売上=顧客数×顧客単価」で構成されています。

売り上げを伸ばすことは、売り上げの構成要素である「顧客数」と「顧客単価」をそれぞれ伸ばすことで実現可能です。

しかし、顧客数を増やすために「新規顧客を増やすこと」や「新たに販路を開拓すること」は簡単ではありません。例えば、新たな広告を打つための広告宣伝費や労力が必要です。

そこで、売り上げを構成するもう一つの要素である「顧客単価」に着目します。

顧客単価を上げる方法として「アップセル(up sell)」「クロスセル(cross sell)」という考え方があります。

この記事では、顧客単価を上げる「アップセル」「クロスセル」について詳しく説明していきます。

アップセルとクロスセルの違い

はじめに、アップセルとクロスセルの概要について解説します。

アップセルとは?

アップセルは、英語で「up sell」と書きます。顧客が買いたいと思う商品・サービスに対して、同種で「より高単価、付加価値のある商品・サービス」を勧めることです。

アップセルの目的は「顧客単価を上げるため」に行います。新規顧客を獲得しなくても、少ない労力で顧客単価を上げることができるのです。

例えば、ハンバーガーショップのマクドナルドで注文したとします。

「ポテトのMサイズを下さい。」と注文をすると、「今ならキャンペーン中で、+50円でLサイズにできますがいかがでしょうか?」と勧めてきます。まさにこれがアップセルを使ったセールストークです。

他には、「スポーツ教室で無料体験を3回行い、その後、有料会員になることを勧める。」「保険契約において、終身保険の商品に特約を付けることを勧める。」などがあります。

クロスセルとは? 他の商品で「関連する商品・サービス」を勧めること

クロスセルとは、英語で「cross sell」と書きます。ある商品・サービスを購入することを顧客が決めた時に、他の商品で「関連する商品・サービス」を勧めることです。

購入を決めた商品・サービスに関連するものを勧めることで、顧客にさらなる価値を提供します。

クロスセルの目的も「顧客単価を上げること」です。

例えば、マクドナルドで「てりやきマックバーガーを下さい。」と注文をすると、「ポテトとドリンクの付いたセットはいかがでしょうか?」と勧めてきます。

まさにこれがクロスセルを使ったセールストークです。

他には、以下のような事例が挙げられます。

  • 「インターネット通販で商品を注文した時に、『この商品を購入した方は、他にもこれらの商品を購入しています。』と勧める。
  • スポーツ教室で有料会員になると、他に『スポーツ安全保険』を勧める。

アップセル、クロスセルで顧客生涯価値(LTV)を高める

アップセル、クロスセルを行い成功することで「顧客生涯価値(LTV)」の向上に繋がります。

顧客生涯価値(LTV=Life Time Value)とは、「取引の始まりから終わりまでの期間に自社にもたらす収益の総額」のことです。

この価値を高めるには、「より高単価」で「より長く」顧客に利用して頂くことが必要となります。

アップセル、クロスセルの手法で顧客単価が上がり、顧客に満足して頂くことで、継続利用にも繋がるのです。

アップセル、クロスセルを行うタイミング

顧客単価を上げるために有効なアップセル・クロスセルも、顧客に勧めるタイミングを間違えると顧客を失うことに繋がります。

顧客の立場で考えてみましょう。

買いたいと思う商品・サービスを買うかどうか迷っている時に、「他の関連商品として以下のものがあります。」と勧められると、無理に押し売りされると感じて、買う意欲が無くなってしまいます。

アップセルを行う最適なタイミング

今使っている商品・サービスが高くて経済面で厳しい状態にある顧客がいたとします。

「今のお使いの商品よりも性能の高い商品がございます。」と顧客ニーズに合っていない商品・サービスを勧めると、今使っている商品・サービスの解約に繋がることもあります。

アップセルは「顧客の商品・サービスの利用が進み、今後、どうしようかと考えている時」が適切なタイミングです。

すでに商品・サービスの利用が進んだ状態なので、商品・サービスに対する顧客の信頼性が高い状態だと言えます。

そのタイミングであればより上位の商品やサービスを勧められても、すんなりと話を聞くことが可能です。

クロスセルを行う最適なタイミング

クロスセルは「顧客が購入を決めた後」に提案するのが適切なタイミングです。

購入意思を固めた後であれば、他の商品の提案も耳に入るし、内容によっては顧客にメリットを感じてもらいやすくなります。

アップセル、クロスセルのどちらを選択すべきか?

アップセル、クロスセルのどちらを選んだら良いのか悩むところです。

どちらがいいのかは、顧客の状況を把握することが必要です。

  • 「今の商品・サービスに満足しているのかどうか」
  • 「利便性を高めるために他の商品・サービスを欲しいと思っているかどうか」
  • 「今の商品・サービスを高いと感じているかどうか」

などを調査することが必要となります。

「顧客の商品・サービスの利用が進み、顧客ロイヤルティが高い」と判断した時は、アップセルを選択する時といえます。

「利便性を高めたい」と思っている顧客には、購入を決めた後にクロスセルを選択します。

逆に「今の商品・サービスが高い」と感じている顧客には、「より安価でグレードの低い商品・サービス」を提案し、顧客を失うリスクを防ぐこともできるのです。

この「より安価でグレードの低い商品・サービス」を提案する手法を、ダウンセル(down sell)と言います。

仕事に活かす知識を効率よく得る方法

今回紹介したような仕事をする上での悩みの解消、さらに仕事に活かせる知識を体系的に効率よく得るためには、資格試験向けの教材を活用するのが効果的です。

私は、中小企業診断士という国家資格の勉強を始めたことで、経験で何となく理解していた情報の歴史や理論を把握することができ、選択肢を広げることができました。

社内での評価も高まり、予定より1年早く昇格に繋がり、中小企業診断士の一部の内容を講座形式で社内教育にした結果、チームメンバーの能力も高まっています。

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まとめ

売上を上げるためには、「顧客数」を上げること、「顧客単価」を上げることの2種類があります。

かかる費用、労力のことを考えると、「顧客単価」を上げることに力を入れる方が効果的です。

顧客単価を上げる方法として「アップセル、クロスセル」があります。

アップセル、クロスセルを行うことによって、自社の顧客生涯価値(LTV)を高めて、自社に利益をもたらします。

アップセル、クロスセルを行うには、何よりも顧客の立場に立って考え、必要なものを必要なタイミングで勧めることがポイントです。

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